中国・アジアの工場進出情報

2025.11.1 Vol.37 No.19
産業アナライズ<化学>
構造転換迫られる韓国・中国の石化産業
年内に3割削減目指す韓国/質的向上目指す中国

 中国の過剰生産に起因する石油化学製品市況の長期低迷が日本を含むアジアの石化産業に構造転換を強いる環境になってきた。最も打撃を受けているのが韓国で、大口の輸出先だった中国市場が当てにならなくなってきたため、国内の石化能力削減を含む「石化産業の構造改革」方針を韓国政府が8月に発表した。日本でも複数のエチレン設備停止に向けた調整が進められている。また当の中国も無傷ではなく、供給過剰に伴う安値競争で「内卷」と呼ばれる無意味な消耗戦を解消できない限り、企業収益を回復できない状況だ。このため、石化産業の質的向上と量的成長を両立させるため、構造転換を促進する「25−26年作業計画」を9月に発表したばかり。これまでのような設備拡張競争を続けられなくなってきた韓国と中国の石化産業を中心に現状を見ていく。
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