中国・アジアの工場進出情報

2025.7.15 Vol.37 No.13
産業アナライズ<自動車>
EUがまだ言い出さない規制緩和
「バイオ燃料再考」が始まった

 BEV(バッテリー電気自動車)だけの世の中に固執していたEU(欧州連合)執行部でいま、「排ガスを一切出さない乗用車・小型商用車しか新車販売を認めない」という2035年実施予定のZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制について「逃げ道作り」が検討されている。排ガスやエネルギーについての技術顧問を務める研究機関やESP(エンジニアリング・サービス・プロバイダー=開発支援会社)に対し、バイオアルコールやバイオガスといった植物由来燃料について「需給見通し」「燃焼シミュレーション」「環境負荷予測」などのデータ提供を依頼した。ZEV規制そのものは2035年実施を堅持するものの、産業界からは「選択肢を事実上BEVだけにするのはどう考えても無理」との声が一段と大きくなったためだ。落とし所の模索はゆっくりと進み始めた。
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