|
産業アナライズ<自動車> |
「桁違いに安いクルマ」は売れるか
インドと中国の実例を比べる |
|
去る10月9日、インド大手財閥であるタタ・グループの元会長、ラタン・タタ氏が86歳で死去した。同氏は会長時代に自動車事業タタ・モータースを一躍世界の舞台へと押し上げた。2005年に低価格商用車「エース・トラック」を発売し、のちに「ナノ」となる小型格安車乗用車のコンセプトを発表。2008年には旧宗主国である英国のジャガー・ランドローバー(JLR)を23億ドル(当時のレートで2,300億円)で買収した。経営体質強化のためのハイ&ロー戦略は同氏の立案だった。一方、中国の上海通用五菱汽車は2020年に邦貨換算45万円の格安BEV(バッテリー電気自動車)「宏光MINI」を発売、その派生車とともに日常生活用BEV市場の開拓に出た。発売当時の車両価格の安さという点では両車とも秀でていた。その後は明暗が別れたものの、結局は似たような運命を辿った。
|
|
|