中国・アジアの工場進出情報

2024.9.1 Vol.36 No.15
産業アナライズ<化学>
回復弱いアジアのAN需給
力強さ欠く需要回復/新増設継続で需給緩和深化

 アクリル原料のアクリロニトリル(AN)は、需要の回復力が弱まっている。2023年の需要は前年よりやや持ち直したものの、2022年に需要減となる前の2021年水準に戻っただけである。最大の需要地である中国も含め、世界的な景気減速で需要が低成長にとどまった一方、供給面では中国で複数の新プラントが立ち上がり、需給は緩和バランスが一層深まった。2024年以降は新増設の勢いが鈍化するものの、需要回復の足取りは重く、今後も当面は減産でバランスを維持していくしかない状況だ。
掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。著作権は鰹d化学工業通信社に帰属します。
(C)The Heavy & Chemical Industries News Agency, all rights reserved