中国・アジアの工場進出情報

2022.6.15 Vol.34 No.11
産業アナライズ<自動車>
ウクライナ戦争下での資源高
バッテリーEVは受難の時代か

 ロシア依存からの脱却に乗り出した西側諸国。ロシア産天然ガスと石油を「買わない」という合意は得られたが、その一方でウクライナ産の小麦が輸出ルートを失ったまま食糧危機が叫ばれ始め、ニッケルなどの鉱物類も資源価格高騰に見舞われている。自動車関連では、BEV(バッテリー電気自動車)が使うLIB(リチウムイオン2次電池)の原材料であるニッケルの供給不足が懸念されている。三元系と呼ばれるLIBはニッケル/マンガン/コバルト(この頭文字を取ってNMCと呼ぶ)を極材に使い、現在のLIBの中でもっともエネルギー密度と出力密度のバランスに優れる。そのためニッケル高騰はBEV普及のマイナス材料になり得る。資源依存度の高さはガソリン車の比ではない。これからさらに高くなるBEVは、果たして売れるだろうか。
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