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産業アナライズ<化学> |
PXも新設備稼働で供給過剰
余剰感に拍車〜歴史的な低マージン |
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ポリエステル製品の中間原料であるPTA(高純度テレフタル酸)は、PX(パラキシレン)から製造される。その世界需要は、2019年で前年比6%増の4,700万トン台と推定され、米中貿易摩擦に端を発する経済減速などが懸念されたが、結果的に巡航速度とされる5%成長を上回る需要増加となった。一方、供給面では中国を中心に大規模な新設備が相次いで稼働し、需給バランスは緩和。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、川下需要が低迷する中で余剰感に拍車が掛かっている。PXのマージンは歴史的な低水準にあるが、今後は年末にかけて複数のPTA新設備が稼働開始する。中長期的にはポリエステル需要の安定的な成長が見込まれるため、PXの需給バランスは来年以降徐々に適正化していくのだろうか。
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