中国・アジアの工場進出情報

2020.5.1 Vol.32 No.8
ビジネスレポート
中国大手のタイ進出がますます増加

 タイ政府の投資委員会(BOI)への申請高で長年に渡って断然トップを続けた日本を抜いて2019年に中国がタイ投資国の1位に躍り出たが、2020年に入っても大型投資が相次いでいる。新規の工場投資ではないが、中国の民間大手自動車メーカーである長城汽車がタイのGM(ゼネラル・モーターズ)の工場を買収、長城汽車のEV(電気自動車)を含む生産を2022年に始める。中国の家電大手で東芝の家電部門を買収したことでも知られる中国の美的集団も中国国外では最大の家電工場をタイに建設することも決まった。中国国有の石油化学大手である中国中化集団(シノケム)もポリマー添加剤製造では初の海外進出としてタイ進出を決めた。タイが世界1の天然ゴム産出国であることから中国の杭州中策ゴムなど中国大手タイヤメーカーのタイ進出が続いている他、中国最大のロボットメーカーで中国科学院傘下の新松機器人自動化公司(遼寧省瀋陽)もタイの大手自動車部品メーカーであるソンブーン・アドバンス・テクノロジーとほぼ折半出資の合弁会社を設立した。新松機器人の幹部が筆者に明らかにしたところでは、同社がタイで当初に生産するのはAGV(自動運送ロボット)で、ロボットも使うシステムインテグレーターとしても活動するという。
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