中国・アジアの工場進出情報

2020.3.1 Vol.32 No.4
産業アナライズ<自動車>
インド自動車市場、減速は止まるか・前編
政策が市場の勢いを削いだ

 インドの自動車市場が失速したままだ。2019年販売を月別に見ると、乗用車は10月、商用車は3月にそれぞれ1カ月だけ前年同月実績をわずかに上回ったが、合計販売台数では2018年12月から2020年1月まで14カ月連続で前年同月マイナスだ。2018年夏に現地ノンバンク大手のインフラストラクチャー・リーシング・アンド・ファイナンシャル・サービシーズ(IL&FS)が債務不履行に陥ったのを機に金融当局も銀行も融資への監視を強化し、結果的に「貸し渋り」状態に陥った。いまや自動車ローンを組むには厳しい審査をパスしなければならない。さらに政府が強行する新排ガス基準BS6(バーラト・ステージ・シックス)の前倒し導入をめぐり、自動車メーカー、販売店、消費者の間にそれぞれ不安が広がっている。果たしてインドの自動車市場はいつ回復するのか。現場から探ってみる。
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