中国・アジアの工場進出情報
2020.2.15 Vol.32 No.3
産業アナライズ<自動車>
電気自動車は「売れる」か――
複雑に絡んだ思惑と諸事情
昨年の中国国内での新エネルギー車(NEV=ニュー・エナジー・ビークル)販売台数は速報値で120.6万台となり、前年比4.0%のマイナスだった。7月に補助金減額が実施されてからは販売が低迷し、上半期の貯金を食いつぶして通年でマイナスになった。年内で廃止となるNEV補助金について中国政府は「当面継続」としているほか、2021年以降も「何らかの形で継続する」ことをほのめかす関係者もいる。ただし、昨年夏ごろに現地で報道された「ハイブリッド車もNEVクレジットに組み入れる」との検討は、まだ正式には発表されていない。中国はそれどころではなく新型コロナウィルスによる肺炎の流行をどう沈静化させるかで手一杯だ。一方、欧州メーカーの中ではドイツ勢が中国でのNEV展開に積極的だが、基本は「どっちへ転んでも対応できる二正面作戦」である。いまだに「売り上げも雇用も伴わないNEV」はことし、どこへ向かうだろうか。
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