中国・アジアの工場進出情報

2020.1.1・15 Vol.32 No.1
ビジネスレポート
中国、米国から世界市場を拓く東京彫刻工業

 東京彫刻工業(東京都墨田区亀沢3-23-12 http://www.tokyo-chokoku.co.jp)は1919年に創業(法人化は1956年)した中小企業で各種刻印や刻印機専業としては日本最古のメーカーの一つ。これまでに取引してきたのは自動車関係を中心に2000社を超える。製造番号などの刻印をする5トンから10トンの刻印用プレスをシリンダーも含めて製造する機械メーカーでもあり、放電加工機(EDM)で使う真鍮製電極も自動車メーカー向けに彫っている。花輪刻印製作所として創業して以来100周年にあたる2019年に東京・日本橋のマンダリン オリエンタルに世界各国の同社刻印機の代理店など100人程に出席してもらった祝賀会を開いた。花輪篤稔(はなわ・あつとし)社長は1972年生まれの若手経営者で創業者は祖父の兄で父親が継いだ次の3代目。2004年に父親をガンで亡くして同社を継いだ花輪現社長は中国に同社初の海外工場進出を果たした。コスト高、米中経済摩擦が続く中国から逃げ出す企業が増えているが同社は今後も中国工場で新製品の製造を中心とする生産活動を続ける方針で、日本の老舗工場は開発がメイン。「スカイプなどで世界のどこにいても会議が開ける」と花輪社長は、香港に家族と住み香港から中国工場や日本市場と世界市場を見てきたが、数年前からは家族で米国に移住、そこから世界戦略を進めている。タイにも代理店があるが、2020年3月にはバンコクに駐在員事務所も開設する。「小部品の全てにトレーサビリティ(履歴追跡)が必要とされる時代。職人技術による刻印・刻印機メーカーに留まることなく、世界1のマーキングメーカーを目指す」と花輪社長は燃えている。
掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。著作権は鰹d化学工業通信社に帰属します。
(C)The Heavy & Chemical Industries News Agency, all rights reserved