企業のグローバル市場適応に影響を及ぼす2つの要因
前回は、4つの戦略インプリケーションの中から、「製品化手法の選択」(統合化アプローチVS. 個別適応化)の問題を取り上げた。海外市場適応の方法には、複数の標的に対して限定的な手段で適応を図り、優位性を獲得しようとする「統合化アプローチ」と、標的それぞれに異なる手段で適応を図り、より広範な市場を得ようとする「個別適応化アプローチ」とがある。今日、グローバル市場に参入しようとする企業は、標的とする海外マーケットの“市場環境”や企業経営者自身の“市場観”(グローバル・マーケット・ビュー)に合わせて、その都度 海外市場適応の方法を決定しているのである。外的影響要因としての市場環境および内的影響要因としてのマネジメントの市場観が参入企業の意思決定にどのように影響を及ぼすのか、日本を代表するグローバルSPA(Specialty Store Retailer of Private Apparel)であるユニクロを例に考えてみたい。