中国・アジアの工場進出情報

2019.12.15 Vol.31 No.22
ビジネスレポート
スマートマニュファクチャリングに向かう東台精機

 台湾最大の工作機械メーカーである東台精機(嚴瑞雄董事長、高雄市路竹区路科3路3号)は1969年の創業。日本人技術者である吉井良三氏が創設したがその後、純台湾企業となり2003年から台湾市場で上場されている。台湾の本社工場で生産されている機械はMC(マシニングセンター)が半分でNC旋盤は25%、PCB加工用の穴あけルーターが25%ほど。本社がある高雄市の路竹サイエンスパークに13年前の2006年に2万平方メートルの工場を立ち上げ、現時点では本社第一、第二工場合わせて10万平方メートル以上の土地に建築面積6万平方メートル、総床面積9万平方メートルの美しい工場を建てている。工場では立型と横型のMCを年2000から3000台生産している。1986年にはアイシン精機と、さらに同年から日立精機(現在DMG森精機)とも技術提携し1995年から資本提携もした。その後日本の桐生機械とも技術提携、さらに独自技術を保有する地元高雄市の大型縦旋盤メーカーの栄田精機とも戦略的提携を結び、東台精機が52%の資本を保有、グループの製品範囲を広げた。2015年にはフランスのPCI-SCEMM社、オーストリアのANGER Machining社を東台精機が100%出資する会社として相次ぎ買収した。自動車関連部品向けをメインとする加工機の製造販売で東台精機はグローバルネットワークを構築してきたが、2005年以来、航空機部品向けなどの大型5軸加工機を手掛ける台中の亜太菁英(APEC)にも全額出資して東台精機の連結会社とし嚴瑞雄董事長が董事長を兼務している。かつて航空機の部品を製造していた上場会社の漢翔航空工業(AIDC=Aerospace Industrial Development Corporation)とも戦略的覚え書きを締結したなど航空・宇宙産業向けにも力を入れている。
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