中国・アジアの工場進出情報
2019.9.1 Vol.31 No.15
ビジネスレポート
米ブランド「Ajax」機をタイで再設計、生産し中国で販売
クリーニング機械最大手の三幸社
業務用ドライクリーニングと洗濯関係の機械・装置で世界的メーカーが東京都八王子に本社を構える三幸社(SANKOSHA)。ランドリー仕上機・ドライ仕上機・タタミ包装機の開発と製造販売で、日本と北米でトップシェアを持っている。トップシェアと言っても、大量生産ではなくニッチな市場を狙った少数多品種生産で、大手が参入しにくい業界とも言える。三幸社タイランドの山下誠社長によれば「昨年2月までの5年間に生産を3倍に伸ばした。従業員も63人(現在は41人)いて、こんなに儲かっていいのかと思うほど利益が出ていた」ことから「タイ工場は日本の本社を追い抜く売上高を計上することを目標としてきた」(同)。だが、タイ通貨であるバーツ高が進み昨年4月から一気に天国から地獄に落とされてしまった。バーツ建(本社の為替差損)でタイ工場から出荷するより日本で製造したコストの方が断然安くなり、日本向けの生産と輸出がゼロになってしまった。しかし山下社長は現在の低迷から抜け出せる新たな取り組みを開始した。それは三幸社が権利を保有している米国の有名ブランドであるAjax(エイジャックス)の名を使った風圧を利用する「バキュームフロー」という染み抜き機械などをAjax機としてタイで再設計、生産して主に中国市場、タイ市場を狙う。
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