中国・アジアの工場進出情報
2019.7.1 Vol.31 No.12
産業アナライズ<自動車>
中国の自動車開発体制・その5
ふたつの「日本ショック」
中国は本当にNEV(新エネルギー車)にR&D(研究開発)を集中させるのか――この問いに対する答えは「NO」だ。中国国内では2017年秋からふたたび内燃機関の研究が活発になってきた。その理由は日本での成果である。日本の内閣府が所管するSIP(戦略的イノベーションプログラム)の中で進められてきた次世代自動車用内燃機関エンジンの研究で、ガソリンエンジンの熱効率が世界で初めて50%を突破した。この件は中国の研究者や自動車メーカーに少なからず影響を与えた。もうひとつ、マツダが進めてきたエンジン開発で、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの特徴を併せ持つ新しい方式が誕生した。この日本でのふたつの成果に、中国のエンジン研究者が突き動かされている。その背景には、政府が進めるNEV(新エネルギー車)普及が思うように進んでいないという事実がある。電動化と自動運転と外部情報ネットワークと自由に接続(コネクテッド)できるクルマ。この3点セットが近未来のマイカー像と言われているが、何はともあれ、まずは自動車という器を作らなければならない。この部分でさえ中国はまだ怪しい。
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