中国・アジアの工場進出情報

2019.4.15 Vol.31 No.7
産業アナライズ<自動車>
陸風汽車「デザイン盗用」で敗訴
中国で初めての判決、その理由は?

 ことし3月22日、インドのタタ財閥傘下にあるジャガー・ランドローバー(JLR)は中国で争っていたコピー車裁判に勝訴したとの声明を発した。同社の人気SUVであるレンジローバー「イヴォーク」に酷似した陸風(LAND WIND)汽車「X7」について、北京市朝陽区の裁判所は即時の製造販売停止を命じたとの内容だった。JLRは「イヴォークの特徴であるクーペスタイル」「車体前面と後面のデザイン」「ボンネットフード前端の文字の配置」など5項目について陸風「X7」の類似性を主張してきたが、裁判所はこのすべてを認め、賠償金の支払いも命じた。過去、同様のデザイン盗用提訴で海外自動車メーカーが勝訴した例はなく、JLR勝訴は初のケースである。その理由は何か――日本のメディアは「米国が求めている知的財産権の保護について実際の行動で示した」「知財保護の姿勢のアピール」などと報じたが、判決の裏側はもっと複雑だと考えるべきだ。筆者は中国政府が進めるNEV(新エルルギー車)普及政策に絡めた業界再編への無言の圧力と受け止める。
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