中国・アジアの工場進出情報

2018.5.1 Vol.30 No.8
産業アナライズ<自動車>
日野とVWが提携交渉開始
これは商用車メーカー再編への胎動か

 4月12日、トヨタ・グループの日野自動車と独・VW(フォルクスワーゲン)は東京で記者会見を開き、提携交渉に入ることを明らかにした。商用車分野、とくに中型以上ではVWが世界ランキング9位、日野は13位である。両社が連合を組むと2017年実績で世界第4位となり、躍進著しい中国勢とインドのタタ・モータースを抑えてトップのダイムラーの地位をねらう位置に着くことができる。商用車は乗用車以上に規模のビジネスであり、VWと日野の提携交渉がライバル他社に与える影響は小さくないだろう。世界的な商用車再編につながる可能性は否定できない。商用車の分野でも中国はいまだに欧米向けの輸出はほとんど実績がないが、日欧米以外の地域ではすでにグローバルプレーヤーである。一方、日本の大型商用車メーカーは4社のうち2社が外資になったように、日本国内の需要にはもう期待できない。日野はVWをパートナーに世界市場へと撃って出るのだろうか。
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