中国・アジアの工場進出情報

2017.7.1 Vol.29 No.12
産業アナライズ<自動車>
中国・吉利汽車がプロトンを買収
その思惑と世界展開構想・後編

 中国の自動車市場には減速感が漂っている。ことし4月と5月は2カ月連続の前年比マイナスであり、1〜5月累計で前年同期比3.7%増とプラスを維持しているものの、乗用車販売が伸び悩んでいる。内陸部はまだまだこれからだが、北京、上海など沿岸部大都市の市場については「ほぼ先が見えてきた」との見方も広がりつつある。こうした中、先ごろマレーシアのプロトン買収を発表した吉利汽車は海外展開へと舵を切った。かつて同社は06年に「08年から米国市場に参入する」と発表し「13年には年間10万台」との目標を語っていた。しかしこの計画は頓挫し、吉利は中央アジアやアフリカなど、衝突安全性と排ガスの規制が緩い地域への完成車輸出に甘んじていた。昨年の全販売台数76万台のうち輸出はわずか2.2万台だった。生産と輸出をともに拡大させることが吉利汽車のねらいである。果たしてプトロンをうまく活用できるだろうか。
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