中国・アジアの工場進出情報

2017.5.1 Vol.29 No.8
ビジネスレポート
タイから中国の出身地に工場進出するトップ・モールド

 タイで2001年に創業、タイのシャープ、フジクラ、オリオン電機など日系企業向けを主体(全売上高の7割)に金型やプラスチック成型、金属との複合部品などを生産している中国系のトップ・モールド(Top Mould)の汪友紅社長(1973年生)を8年ぶりでチョンブリ県の工場に訪問して取材した。実兄の汪有志(1970年生)氏は中国広東省東莞市でやはり中国の日系企業向けが多い金型、成型工場の智鴻塑膠模具有限公司を経営しているが筆者は20年程前に道路から工場の中が丸見えの町工場だった創業時に何度もこの東莞市の工場を取材している。その後、兄弟は協力し合って中国とタイでの業容を拡大してきた。今回久しぶりにタイ工場を訪問したが、かつてゼロだったインド人のエンジニアや設計者など、従業員の半数以上が外国人になっていた。そして兄弟の合弁として中国湖北省の出身地に新工場を建設するという。かつて「タイで上場を目指したい」とかつて語っていたトップ・モールドの汪友紅社長だが、その目標は捨てたという。タイ人の奥さんとの円満な家庭を持つ汪社長はタイでの事業縮小などはまったく考えていないものの、これまでタイで金型製造や成型業を続ける中でまったくタイ人従業員を育たないなど人の問題から経営の限界を感じているという。
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