中国・アジアの工場進出情報

2017.2.1 Vol.29 No.2
産業アナライズ<自動車>
ASEAN5の自動車市場
多様化の波と定番商品の充実

 2016年のASEAN主要5カ国自動車市場は速報ベースで約303万台、前年比2.3%増だった。13年に350万台を突破して以降は一進一退である。15年初頭での予測は三大市場であるインドネシア、タイ、マレーシアともに前年比マイナスだったが、インドネシアだけは微増となり、そのぶんで300万台ラインに復帰した格好である。一方、需要そのものは振るわなくても、ASEAN各国の自動車市場は確実に多様化してきた。セダン型小型車が主流だったマレーシアでミニバン系が売れ、かつて1トン型ピックアップトラックが過半数を占めていたタイで1200cc級小型乗用車が増え、フィリピンではSUVが増えた。各国の自動車税制と自動車産業政策の変化が多様化の原動力だが、自動車を買う人たちは、それぞれの所得水準でいろいろな夢を描くようになったという心理的変化も見逃せない。総人口6億人を超えるASEANが自動車産業にとって将来の巨大市場であることは間違いない。
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