中国・アジアの工場進出情報

2016.9.1 Vol.28 No.15
産業アナライズ<化学>
供給過剰変わらぬ中国のPTA市場
1,500万t停止も新増設続行/淘汰は必至

 ポリエステル原料のPTA(高純度テレフタル酸)市場が中国を中心に混迷の度合いを深めている。相次ぐプラントの新増設によって供給過剰が年々強まってきた結果、ついに2015年には大手メーカーの経営破綻も含めた淘汰が顕在化したにもかかわらず、需給バランスに大きな影響は見られなかった。一方で2016年以降も新規プロジェクトが後を絶たず、中国での大増設は依然として歯止めが掛かっていない。こうした状況下で三菱化学は中国などのPTA製造子会社売却を決めるなど、中国市場からの撤退を図る。中国メーカーの生産動向を分析すると、稼働率には明確な差が生じており、今後競争力に劣るメーカーの淘汰が進むのは必至の情勢だ。
掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。著作権は鰹d化学工業通信社に帰属します。
(C)The Heavy & Chemical Industries News Agency, all rights reserved