中国・アジアの工場進出情報

2016.6.15 Vol.28 No.11
目黒教授の東南アジア市場参入・必勝セオリー
〜技術とビジネスモデルをどう生かすか〜

第28回:ガバナンスポリシーとマーケティング戦略(1)
〜 マネジメントの判断に影響を及ぼす もう1つの見えざる要因 〜

 ここまで、グローバルマーケティング戦略上の判断には企業の“戦略的意図”が反映されること、さらには、“戦略的意図”にはマネジメント(経営者)の“市場観”が影響を及ぼすことを明らかにして来た。本稿では、これらの影響要因に加え、企業のマーケティング戦略上の判断に影響を及ぼす、もう一つの見えざるファクターとして、“ガバナンス”の問題を付記しておきたい。“ガバナンス(Governance)”とは、日本語に直訳すれば“統治”という意味である。今日、グローバル化を加速する日本企業や産業全体が直面する喫緊の課題として、様々な場所で“ガバナンス”の問題が取り上げられている。“ガバナンス”というテーマは、大きく二つの問題に分けて考え得る。 一つは、「ガバナンスポリシー」(Governance Policy)の問題である。いわば、“企業は誰のために経営を行うのか”という問題である。もう一つが、上記ガバナンスポリシーを実行するための「統治制度」の問題である。ここでは、特に、企業のガバナンスポリシーとマーケティング戦略との関わりについて見て行くことにする。
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