中国・アジアの工場進出情報

2016.5.15 Vol.28 No.9
目黒教授の東南アジア市場参入・必勝セオリー
〜技術とビジネスモデルをどう生かすか〜
第27回:「製品化手法」の適切な選択(8)
〜 パンカジ・ゲマワット(Pankaj Ghemawat)の“市場観”と“製品化理論”〜

 ここまで、グローバル市場参入のための「製品化手法」の選択に際しては、短期的な環境変化に合わせてその都度手法を変えるのではなく、参入の “戦略的意図” を明確化し、それらに沿った「製品化手法」を採用することが重要であると述べて来た。前述のユニクロの事例からもわかるように、“戦略的意図”とは、企業の経営目標や経営目的を踏まえたものである。そして、意図される目標・目的である以上、そこには経営者の“市場観”が色濃く反映される。理論構築に余念がないアカデミア(学術界)においてもそれ(標榜する者の主観が反映してしまうこと)については同じである。経営戦略論の泰斗マイケル・ポーター(Michael E.Porter)がその戦略性の高さを押す「標準化アプローチ」(Standardization)も、その対極にある「適応化アプローチ」(AdaptationもしくはLoclization)も、それぞれの背後には、それらを主張する人々の“市場観”が見え隠れする。本テーマ〈製品化手法の適切な選択〉の最後に、マイケル・ポーターの「標準化アプローチ」とは異なるパンカジ・ゲマワット(Pankaj Ghemawat)の “市場観”と製品化理論について詳述しておきたい。
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