中国・アジアの工場進出情報

2016.4.1 Vol.28 No.6
産業アナライズ<自動車>
アセアン市場争奪戦
日本車の天下は続くのか・前編

 アセアンは将来の自動車市場としてきわめて有望--自動車メーカーも調査会社も研究機関も、口をそろえてこう言う。「地域としてとらえるとインドより有望」であり「地場の自動車部品工業のレベルも高い」と。発足したACE(アセアン経済共同体)は人口約6億2000万人。EUを上回る市場規模を持つ。2年後の2018年には自動車の域内関税は撤廃される予定であり、域内での自動車の流通は完全に自由になる。この2018年を視野に、欧米中の自動車メーカーがアセアン市場をねらっている。現状では日本勢が圧倒的に優勢だが、ライバル勢は急速にアセアン攻略を進めている。政治力も使いながら日本車の牙城に割って入ろうとしている。アセアン全体の自動車市場が拡大しても、日本車のシェアは相対的に低下する。これは避けられないことだ。肝心なことは、どこまでで侵攻を食い止めるか、である。年産500万台超えは2018年と予想されている。
掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。著作権は鰹d化学工業通信社に帰属します。
(C)The Heavy & Chemical Industries News Agency, all rights reserved