中国・アジアの工場進出情報

2016.2.1 Vol.28 No.2
産業アナライズ<自動車>
もはや中国も成熟市場か
2016年新車需要は減税とSUVが頼み

 昨年の中国新車販売(工場出荷)台数は速報ベースで約2460万台、前年比4.7%増だった。内訳は乗用車2115万台、同7.3%増、商用車345万台、同9.0%減である。乗用車のカテゴリー別ではSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビーク)、荷物スペースが広いレジャーワゴンが622万台に達し、前年比でも52%という高い伸びを示した。一方でセダンおよびハッチバック系、中国で言う轎車は1172万台、同5.3%減だった。いまや中国はSUV本家の米国を抜いて世界最大のSUV需要国だが、従来の轎車ではなくSUVが人気だから昨年の市況を維持できたようにも受け止められる。中国市場も「新型車効果」なしには成長路線に乗れなくなった。需要が一巡したわけではないだろうが、商品の多様化、新車効果、そして政府による市場支援が自動車需要を下支えしている。これは日本や欧州といった成熟市場の特徴に似ている。日本が30年をかけ、韓国も20年を費やしたモータリゼーション勃興の過程を中国は10年でやり遂げたことになる。
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