中国・アジアの工場進出情報
2016.1.1・15 Vol.28 No.1
産業アナライズ<自動車>
「国5」燃料は普及するか
欧州並み排ガス規制をめざす中国
中国では2016年1月1日から「国5」と呼ばれる基準のガソリンと軽油が流通することになっている。硫黄分を欧州の「ユーロ5」対応燃料並みに抑えた燃料であり、中国政府は17年末までに従来規制である「国4」以下の燃料、つまり現在流通している自動車燃料の国内販売を停止させることをねらっている。燃料の質が改善されるとエンジンから排出される燃えカスである排出ガス中の有害成分は相応に少なくなる。とくにディーゼル車では、硫黄分の減少によってPM(微粒子状物質)の排出を少なくすることができる。中国の沿岸部都市ではことしも大気汚染が激しく、粒径2.5ミクロン程度の浮遊物質であるPM2.5が多く観測されている。その原因がおもに石炭暖房であることは中国の研究者も政府も認識しているが、内陸部では石炭に頼らなければならず、自動車にも「応分の負担」を求めた形での燃料改革である。今後、自動車用燃料の基準と排出ガス規制は強化が必至だ。問題はそのタイミングだが、政府発表と実際の行動とでは大きく隔たりがあるというのが過去の例である。
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