中国・アジアの工場進出情報

2015.10.15 Vol.27 No.18
産業アナライズ<自動車>
中国で売れ始めた日本車
「失地回復」の傾向は本物か?(後編)

 VW(フォルクスワーゲン)グループの中国販売台数は1〜8月累計で約226万台、前年同期比5.8%減だった。今後、米国でのディーゼルエンジン排ガス問題の影響が中国にまで飛び火するかどうかはわからないが、ドイツ系ブランド全体で見ても1〜8月累計は同3.5%減だった。もっとも下げ幅の大きい韓国系は同11.3%減、続いて仏系が17.9%減である。反対に日系ブランド全体の1〜8月乗用車出荷台数は約200万台、同5.9%増と海外勢の中では唯一、プラスを維持している。中国ブランドは大きく伸びて1〜8月で523万台、同12.2%増である。地元中国勢の伸びは地方都市の需要に支えられたのと同時に、大都市とその周辺でも「安さ」を武器に売れている。中国汽車工業協会(中汽工)は、上半期を終了した時点でことしの販売見通しを年初の前年比7%増から3%増へと引き下げたが、6月末時点で前年同期比1.4%増だった全体需要は7〜8月にプラス分を使い果たし貯金ゼロ。このペースだと年間ではマイナスになるが、中汽工が政府に要望している需要喚起策が年内に実現するかどうかは不明である。その中で日系ブランドが売れている理由は「安心感」や「信頼感」だけではない。
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