中国・アジアの工場進出情報

2015.10.1 Vol.27 No.17
産業アナライズ<自動車>
中国で売れ始めた日本車
「失地回復」の傾向は本物か?(前編)

 株安トレンドと汚職撲滅キャンペーンのなか、中国で日本車が堅調に売れている。ことし1〜8月の工場出荷累計ではドイツ勢、米国勢、フランス勢、韓国勢がそろって前年同期比マイナスだったが、日本勢だけは同5.9%増と好調だ。メーカー別ではホンダとマツダが4月から5カ月連続、トヨタは6月から3カ月連続でそれぞれ2桁増を続けている。1〜8月類計の市場全体ではSUVだけが伸び、セダン型、HB(ハッチバック)型、日本の軽自動車に相当する微型バンなどは軒並み前年比マイナスだった。乗用車の販売台数は1278.21万台、前年同期比2.6%増にとどまっている。商用車も含めた全自動車販売台数は1501.72万台、前年同期では約100台の減少で前年並みである。9〜12月が前年並みなら年間需要は昨年同等だが、販売関係者の間では「前年割れは確実」との発言もすでに出始めている。「怖くてだれも言い出せないだけ」とは、各社に共通した事情だが、そのなかで日系自動車メーカーは本当に「反撃」へと転じたのだろうか。ここを検証する。
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