中国・アジアの工場進出情報

2015.9.15 Vol.27 No.16
産業アナライズ<自動車>
VWとスズキの資本提携解消
それでもVWはアジア市場をねらう

 独・VW(フォルクスワーゲン)とスズキの資本提携が解消されることになった。両社の調停に当たっていた国際仲裁裁判所は、スズキが主張する「資本提携の解消」を認めるとともに、VWに対しては「スズキの契約違反行為」に対する損害賠償請求権を認めるという決定を下した。VWはスズキの小型車開発・生産の能力をインドや東南アジア、中国での自社ブランド車両生産に結びつけることをねらって09年12月に包括提携で合意、同時にスズキ株の19.9%を所有した。一方スズキは「対等なパートナーシップ関係」であることを確認し、いくつかの思惑を持って資本提携に合意し、自らもVW株1.5%を所有した。しかし、スズキの思惑のひとつだったディーゼルエンジン(DE)の調達で双方の意見が折り合わず、結局スズキは伊・フィアットとの間でDE調達契約を結んだ。ここから話がこじれ始め、公的機関に仲裁を委ねる結果になった。2018年に世界販売台数1000万台という目標を掲げているVWにとって、中国以外のアジア新興国開拓は当面の課題だ。スズキなしでここに着手するVWは、しかし「勝算あり」との見通しを語っている。
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