中国・アジアの工場進出情報

2015.9.1 Vol.27 No.15
産業アナライズ<自動車>
トヨタの新ディーゼルエンジン
新興国と高規制国のニーズ両立へ

 トヨタ自動車が新しいディーゼルエンジン(以下DE)「GD型」を開発した。排気量は2.5Gと2.8Gの2種類で、ほとんどの部品を共有しシリンダー内径(ボア)も共通である。搭載車種は日米向けの「ランドクルーザー・プラド」から新興国向けモデルの「IMVシリーズ」など幅広く、将来的には中国、ASEAN、中南米での現地組み立てが計画されている。GD型の最大の特徴は「全世界対応」だ。高レベル排ガス規制地域である日本、北米、EU(欧州連合)、豪州から規制レベル中程度の中国、そしてASEAN、インド、中南米、アフリカまで、それぞれの燃料事情や気候条件に対応する設計である。仕向け地は150以上の国と地域を想定しており、当面は年産60万基、2〜3年以内には80万基以上の大規模量産エンジンになる。トヨタは今後、より小さな排気量のDEも新型に更新する予定で、いままでどちらかと言えば手薄だったDE市場への浸透を活発化させる。GD型はその尖兵である。
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