中国・アジアの工場進出情報

2015.2.15 Vol.27 No.3
産業アナライズ<自動車>
トヨタグループ総力戦体制へ
TNGAでふたたびアジア大攻勢へ

 トヨタ自動車が進めるTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)は、中長期的な商品戦略である。車両の基本骨格(プラットフォーム)、パワートレイン(エンジン/変速機)、サスペンションなどのユニット、さらには機能を制御するコンピューターのソフトウェアも含めたそれぞれに「アーキテクチャー=設計思想」を定め、それに基づいて車両性能の向上、複数車種の同時開発、部品・ユニットの標準化・共有化などを進めることをねらっている。TNGAを取り入れた第1弾商品は年内に発売されるが、さらに将来を見据えた体制の強化にトヨタは乗り出した。グループ内の役割分担見直しである。デンソー、アイシン精機、豊田自動織機などグループ内各社とトヨタ自動車とで重複している研究・開発を解消し、開発の責任体制を明確化することがねらいだ。当然、この改革はアジアなど新興国向けの商品開発も見据えてのものである。ことしは新興国向けの主力商品群であるIMV(イノベーティブ・インターナショナル・マルチパーパス・ビークル)シリーズ3タイプのモデルチェンジが予定されており、これがアジア向けTNGA商品の第1弾となるが、同時に2020年代に向けてトヨタグループの「部品」「ユニット」をアジアで広く展開する構想へと舵を切った。
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