中国・アジアの工場進出情報

2015.2.1 Vol.27 No.2
宇塚れおんのミャンマー報告
「近くて遠い国」から「より近い国」へ (32)
ミャンマーの自動車産業に将来はあるか

 年末の総選挙を控えるミャンマーではテイン・セイン大統領のスポークマンが自分のフェースブックに2013年に大統領が日本を訪問した時の写真を投稿した。彼の狙いは大統領が自分の東京名古屋間の出張で新幹線を使ったというアピール。しかし筆者が注目したのが大統領は出張中に日本の大手自動車メーカーにミャンマーでの自動車生産を行うように要請したことだ。ミャンマー国民として非常に有難い話だが、実現する可能性があるかどうかは未定。実際日本では大手自動車メーカが相次ぎミャンマーでの自動車生産を断念したという報道が続いている。かつてインドに日本からスズキが初めて投資の決断をした時、インド政府工業省まで多額の出資をしてスズキを守って育てこれまでにウインウインの関係を築いた。しかしミャンマーに最初に飛んできてくれたスズキに対してミャンマー政府は軍事政権時代から冷たいまま。テイン・セイン政権も外資自動車に投資してほしいという期待を述べるだけであり、それを実現させるための産業政策が無い。スズキがティラワ経済特区(SEZ)に本格進出するという話もミャンマーには新車の本格製造をするだけの市場が無いことから消えてしまった。
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