中国・アジアの工場進出情報

2015.2.1 Vol.27 No.2
産業アナライズ<化建築>
ベトナム建築市場、中・低所得層向け物件で市況回復基調
法改正・政府施策が底支え/インフラ建設案件は遅延続く

 リーマンショック以降、低迷が続いていたベトナム建築市場に回復基調が出始めている。政府による中・低所得層向け住宅供給促進策や金利低下などを受け住宅購入数が増加、2015年はマンションを中心に好立地・低価格な中小型物件で回復していくと見込まれている。また今年7月に施行される予定の改正住宅法では外国人の住宅購入規制が緩和されたことから、不動産市場全体においても不況からの脱却に向けた動きが本格化する兆しだ。一方、日系企業も数多く取り組んでいる社会インフラ案件については、中央・地方政府で異なる決定システムや土地収用の遅れ、資金調達への懸念などからスケジュール通りに進むことがなく、その結果として工期延長に伴う補償金の発生、建設コスト増といった諸課題が発生する。日本が最大の援助国となっている同国はタイに続く有望市場として日系建設業者の進出も多いが、進出後のギャップが大きいのが現実だ。
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