中国・アジアの工場進出情報

2014.11.1 Vol.26 No.19
産業アナライズ<自動車>
新興国のSUV市場・その2
世界需要と新興国の接点

 2020年の世界自動車市場は1億台強と見積もられている。市場調査会社各社は概ね、18〜19年に1億台を突破し、その後も毎年200万台程度の増加を続けるといった予測を発表している。2010年が約7270万台だったから10年で40%増の計算になる。では、そのうち大小さまざまなSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の比率はどうなるか。慎重な見通しでは20%強、強気だと23%台と、これも数字は多少異なるが、確実な増加という点では一致している。2010年時点で世界市場のSUV比率は14%弱、全世界で約1000万台強の販売実績だったが、2020年には2100〜2300万台になると予想される。地域別では中国が最大のSUV需要国になる。おそらくSUVは、従来のハッチバック(HB)車やセダンに代わって一般ユーザーの選択肢の中に溶け込むだろう。同時に、丈夫で安価なラダーフレーム式SUVは新興国を中心とした万能車、モノコックボディのSUVはさまざまなデザインや機能を武器に幅広い地域へと展開される戦略モデルという傾向を強めて行くものと思われる。そして、年間2000万台の市場だけにSUV販売競争は激化する。中国がそうだったように、自動車メーカーにとって浮沈を分ける市場規模であることに間違いない。
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