中国・アジアの工場進出情報

2014.8.1・15 Vol.26 No.14
産業アナライズ<自動車>
模倣から正攻法への転換
奇瑞と吉利、商品改革の行方/後編

 奇瑞汽車と吉利汽車は、ともに中国の非国営(独立系)自動車メーカーを代表する存在である。奇しくもそろってマルチブランド戦略で頓挫し、商品の整理を進めている。奇瑞は「Riich(瑞麒)」「Rely(威麟)」を廃止し、乗用車系は奇瑞(Chery)ブランドに一本化した。吉利は「帝豪(Emgrand)」「全球鷹(Gleagle9」「英論倫(Englom)」を商品名に残すのみでブランドは吉利(Geely)への一本化を決定した。両社とも、拡大しすぎた販売網を整理して出直すと言う。これを「手を広げ過ぎたツケ」と結論付けるのは簡単だが、両社は失敗から多くを学んだ。とくに知名度を得ることがいかに大変かを痛感した。おそらく奇瑞は、イスラエルとの合弁である観致汽車(QOROS AUTO)およびジャガー・ランドローバーの中国合弁事業に経営資源を集中し、国内向けの安価な商品は広州汽車との連携でまかなうようになるだろう。吉利汽車は、買収したボルボ・カーズからの技術導入で自社商品を一新する計画だ。両社とも海外市場もにらみながらの展開である。
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