中国・アジアの工場進出情報

2014.5.15 Vol.26 No.9
産業アナライズ<自動車>
オートチャイナ14の印象・その1
トレンドになった「安全ボディ」

 北京と上海とで交互に行なわれる中国の国際規模モーターショー。偶数年は北京の番であり、ことしも北京郊外の新国際展覧で開催された。会場面積こそ上海に及ばないが、展示規模は東京モーターショーの2倍以上であり、しかも世界中の自動車メーカーが参加した。欠席の多い東京に比べ、北京と上海は床面積の奪い合いである。個人的には二十数回めの中国モーターショー取材だが、90年代の「枯れ木も山のにぎわい」から「混沌」を経て、いよいよ「中国人民のための地元ショー」という色彩を帯びてきたような印象を持った。今回を含めて3回連続でオートチャイナ14(以下AC14)の出展車両を紹介するが、中国企業の商品開発を中心に解説する。第1回の切り口は「衝突安全性」である。安全性は2の次3の次だった中国市場でも、自動車購入者の世代が変わるに連れて「ぶつかっても死なない」「自分も同乗者も守ってくれる」という性能が脚光を浴びるようになった。いずれこの方面も商品力になるだろうとは思っていたが、予想よりも展開が速い。その背景には、中国で増えているといわれる自動車乗車中の死亡事故があるのだろうか。いずれにしても、中国自動車市場はすでに自動車先進国並みである。
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