中国・アジアの工場進出情報

2014.5.1 Vol.26 No.8
産業アナライズ<建築>
アジアで求められるのは“コミュニケーション能力・柔軟性”
 日系建築技術者は独自規格浸透がネック/
海外規格習熟度やコスト意識不足も

 少子高齢化や人口減少で国内市場が縮小する中、建設・建築分野においてもグローバル化が避けられない状況となっている。内需産業の筆頭株である建設分野は、社会インフラ開発・構築を軸とするため裾野産業も幅広く、また相互連携体制を取りながら発展したこともあり日本独自のシステム・標準化を構築してきた。そのため日本以外の国では建設・建築関連制度が異なるため既存事業体制の流用が難しく、グローバル化が難しい産業と指摘されている。しかし近年、製造業に加え流通・サービス分野の海外展開が拡大し、とくにアジアへの進出が急増。現地での建設需要に事業拡大チャンスを探る日系建設企業も増え始めた。またゼネコンやサブコンの進出を受け、今後は技術面をサポートする「建築設備技術者」のニーズも増加すると予想されている。建築設備技術者協会ではこれらニーズを把握するため、このほどタイとインドネシア、シンガポールの3カ国で基礎調査を実施した。結果として浮き彫りになったのは、日本独自規格に起因する現場での対応力・柔軟性不足。建築技術者のアジア展開は、非常に厳しい道のりといえる。
掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。著作権は鰹d化学工業通信社に帰属します。
(C)The Heavy & Chemical Industries News Agency, all rights reserved