中国・アジアの工場進出情報

2014.4.15 Vol.26 No.7
産業アナライズ<自動車>
フィリピンを選んだ三菱の思惑
 2015年にASEANシェア12%へ

 三菱自動車が2011年10月に発表した「アセアンチャレンジ12」は、2015年度にASEAN域内での販売台数36万台、シェア12%を目標にしていた。15年時点での域内自動車市場予測は300万台強。その12%を穫るための戦略を打ち出したものだった。6億人という人口を背景に、ASEANはインドに次ぐ巨大市場になるとの予測は各方面で一致している。そしてASEANは歴史的に日本車優位であり、なかでも三菱自工はASEANから欧州などへの完成車輸出で先鞭を付けた「さきがけ」的存在である。しかし、2年半前と現在とでは、シェア12%を穫るための戦術展開が変わった。フィリピンをタイに次ぐ拠点へと成長させ、域内での車種および部品・ユニットの相互補完を進める方向へと舵を切った。16年度までの中期経営計画である「ニューステージ2016」の中でもASEAN重視の姿勢は変わらないが、フィリピンの新工場が立ち上がる2015年は、同社のASEAN展開の転機になる。
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