中国・アジアの工場進出情報
2014.3.15 Vol.26 No.5
産業アナライズ<自動車>
チャイナマネー欧州へ
PSAに出資した東風汽車の思惑
去る2月18日、仏・PSA(プジョーs.a.)と中国国営の東風汽車は、東風汽車がPSAに資本参加することを明らかにした。同時に仏政府もPSAに資本参加することになった。30億ユーロの増資という形で新株が発行され、現在の最大株主である創業家・プジョー家の持ち株比率は従来の25.4%から約14%へと縮小、同数の株を仏政府と東風汽車が握ることになる。これによってPSAは、ほぼ同じ持ち株比率の大株主3者による集団合議での運営となる。欧州での不振がPSAの経営を圧迫した結果、資本注入の必要性が生じたわけだが、出資するのはPSAと合弁会社を運営するトヨタでも、PSAに商品をOEM(相手先ブランドでの自社商品生産)供給する三菱自動車でもなく、中国の国営企業である。一方、東風汽車最大の外資パートナーは日産であり、その日産の最大株主はPSAのライバルである同じ仏メーカーのルノーだ。そのルノーも中国の乗用車市場をねらっている。東風汽車が欧州の老舗自動車メーカーに出資したことは、中国の自動車産業全体に影響を及ぼす動きになったとしても、何ら不思議はない状況である。
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