中国・アジアの工場進出情報

2014.3.1 Vol.26 No.4
宇塚れおんのミャンマー報告
「近くて遠い国」から「より近い国」へ (17)
ミャンマー人の死亡原因と解剖学(病理学)との現状

解剖を嫌うミャンマー人
 8年前に他界した父の死因は亡くなる直前になってやっと肺癌だとわかった。90歳になってから5年間入院、退院、通院を繰り返していたが、ほとんどの検査は血液検査、痰、検便だった。胃カメラも飲まされたが、理学検査はしなかったようだ。一方、40年間の糖尿病を抱えたまま他界した母も毎日、毎週行っていた検査も血糖値、尿検査が主だった。多くのミャンマー人が最も嫌がるのが手術を伴う検体をとる検査。遺族などが亡くした人を解剖して死因を検査することさえ拒絶することが多い。20年前のことだが、解剖医のアシスタントをしていた親戚が、遺体の受け取り時に遺族の人々から悪意で見られていたという記憶がある。たぶんそのことが原因で早期退職してしまった。
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