中国・アジアの工場進出情報
2014.2.15 Vol.26 No.3
産業アナライズ<自動車>
2020年の自動車市場を読む・前編
市場ごとのエネルギー事情
昨年の自動車世界販売台数推計は約8300万台、前年比3%程度の増だった。リーマンショックの翌年、09年に6080万台へと大きく落ち込んだ市場は確実に回復し、4年連続の前年比プラスである。2010年の時点では1億台突破を2020年前後と見る予測が多かったが、世界に拠点を持つ調査会社である米・IHSオートモーティブは、2018年に1億台到達との予測を発表している。市場の牽引役は新興国であり、なかでも中国、インド、ASEANといったアジア勢がその役割を演じるとの見方だ。自動車市場の飽和はまだまだ先であり、2020年代には中南米や中央アジアに現在のBRICsに続く成長市場が出現すると見ていいだろう。ただし、1億台市場が運んで来るものは世界の自動車産業の繁栄ばかりではない。エネルギー消費の拡大、それによるCO2排出の増加、資源価格高騰、排ガスによる越境汚染など、いまから予防策を考えておかなければならない副産物も運んで来るはずだ。それと、日本の自動車産業の基礎体力である。果たして成長市場が必要とする商品を供給し続け、その存在感を維持できるだろうか。2020年の自動車市場をテーマに今回は「エネルギー」を、次回は「商品開発」を切り口に考えてみる。
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