中国・アジアの工場進出情報
2013.11.1 Vol.25 No.19
産業アナライズ<
自動車
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ITS化へと舵を切った中国
巨大市場争奪戦が始まった
中国政府がITS(インテリジェント・トランスポート・システム=高度自動車交通システム)導入へと走り始めた。2010年から大都市内の都市高速道路や橋梁の通行料金収受の自動化に着手し、道路情報表示の充実などを進めてきたが、ことし9月に中国ITS産業連盟を立ち上げ、道路側および車載側の機器の開発・生産、システム構築、インフラ整備、将来に向けた技術開発などを産業界で推進する体制を整えた。その背景は「エネルギーと環境」である。都市部での大気汚染を防止し、燃料消費を抑えて原油輸入量を減らす。この2点を中国政府はねらっており、産業界はこれを後押しする。しかし、日本企業の存在感が希薄だ。昨年、北京で実施された車両1万2000台に走行データの送受信機を取り付けた実験は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が窓口になり日産やNTTデータが支援した。筆者が取材してきたかぎり、中国側の産業界も政府のITS推進派も日本の協力を求めている。しかし、政治的に冷え込んだ日中関係の現状では、ビジネスの発展は望めそうにない。この隙を突いて、欧米韓の企業が中国の巨大なITS市場に入り込もうとしている。
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