中国・アジアの工場進出情報

2013.8.1・15 Vol.25 No.14
産業アナライズ<自動車>
上半期好調の長城汽車
日欧米の隙間をねらえるか

 万里の長城から社名を取った長城汽車(グレート・ウォール・モーター=以下GWM)の業績が伸びている。ことし上半期(1〜6月)の中国国内生産台数は前年同期比40%増の36万7900台となり、中国の企業集団別自動車生産台数で第6位。吉利汽車や奇瑞汽車を抑えて非国営系(独立系)のトップに立った。同社の主力商品はSUV(多目的レジャーワゴン)であり、この分野の老舗である米国のジープ・ブランド(クライスラーが所有)の販売規模をグローバルで抜くことが目標だと言う。近年は海外のサプライヤーとの間で開発支援契約を相次いで結び、自社製品のレベルアップに積極的である。かつてトヨタやフィアットの小型車をあからさまにコピーした新型車をモーターショーに展示していた自動車メーカーとは思えない変わり様だ。業界再編が進む中国の自動車産業では、非国営の独立系自動車メーカーをどう再編に絡ませるかがひとつのカギだが、GWMの存在感が急速に高まっている事実は、政府による再編指導にも影響を与えるはずである。
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