中国・アジアの工場進出情報

2013.4.15 Vol.25 No.7
産業アナライズ<自動車>
内燃機関研究現場の日中比較
中国の「割り切り」と日本の非効率

 自動車とその関連分野で世界的にもっとも学術研究が盛んな分野は、エンジン・パワートレインである。エンジンの燃焼、その制御、変速機(トランスミッション)の効率向上と変速比の拡大、そしてエンジンと変速機の統合制御といった部門には、世界中で何万という数の研究者が携わっている。日米欧のSAE(自動車技術会)で発表される論文数を数えても、EV(電気自動車)やFCEV(燃料電池利用の電気自動車)よりも内燃機関関連のほうが多い。近年は中国やインドの大学および独立研究機関がこの分野に参加するようになり、技術的自立をめざしていることが窺える。このなかで産学連携がうまく機能しているのは欧米であり、日本の大学では産業界のニーズを満たすような研究がほとんど行われていない印象を抱く。中国やインドはその逆で、産業界のニーズがそのまま大学での研究テーマである。当面必要な人材を確保することに割り切っている。理系志望学生の絶対数が多く、少子化と高校生の理系離れに直面している日本とは事情がかなり違う。
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