中国・アジアの工場進出情報
2013.3.1 Vol.25 No.4
産業アナライズ<自動車>
グローバルモデルと中国専用車
VWの中国展開は新ラウンドへ
独・VW(フォルクスワーゲン)が中型乗用車「サンタナ」「ジェッタ」を相次いで新世代モデルに移行させた。「サンタナ(桑塔納)」はVWが1985年秋に初めて中国での生産を開始したモデルであり、上海などの大都市ではタクシー仕様の定番だ。ごく標準的な4枚ドアのセダンとしての実直な造りはいまだに好評である。「ジェッタ(捷達)」はサンタナよりもやや小さな道路投影面積(車体を真上から見たときの面積)だが、サンタナ同様に角張ったボディであり、このクラスの新しいライバル車と比較しても居住空間の広さではいまだに負けてはいない。市場で多くの人が評価している「良いもの」は、たとえ古い製品でも確実に売れ続けるのが中国であり、車名を踏襲しての一新にはリスクが伴う。中国市場向け商品の世代交代を始めたVWは「勝算あり」との読みだが、その背景には単一モデルではなく複数モデル数を造ることでコストを下げるというVWの戦術がある。
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