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クローズアップ |
BOPビジネス、日系企業もアジアやアフリカで調査開始
援助ではなく“市場”の位置づけ/事業化は地道な活動基本 |
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新興国に続く新たなビジネスチャンスの場として注目が高まっているBOP層。BOP=途上国の低所得者層(1人当たり年間所得3,000ドル以下)―は、世界の人口の7割を占める約40億人で、日本の実質国内総生産に相当する5兆ドル市場といわれている。この市場を狙い、米国のUSAID(米国国債開発庁)などは2001年から企業と提携した活動を展開しており、シェルやコカ・コーラ、マイクロソフトといった大手企業が参加している。日本でもヤクルト本社や味の素、マンダム、ヤマハ発動機、住友化学などが先例として挙げられるが、本格的な取り組みはこれからだ。経済産業省では2009年に「BOPビジネス政策研究会」を立ち上げ、産業政策として取り組む体制を整えた。JICA(国際協力機構)やJETRO(日本貿易振興機構)を通じ、日本の技術力を活用したビジネス展開に対する支援を積極的に行っていく方針だ。ただし先進国による援助・支援活動と大きく異なる点は、BOP層をパートナーとして位置づけ、事業を成立させるという意識。同意語として「ソーシャルビジネス=ビジネスによる問題解決」ともいわれるが、まさに現地での雇用創出・生活改善に加え商売として成立するかがポイントとなる。日本企業の取り組みはまだ始まったばかりといえる。 |
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