中国・アジアの工場進出情報
2012.10.15 Vol.24 No.18
産業アナライズ<自動車>
三菱自動車のアセアン展開
次の一手はプロトンとの復縁か
いまやタイは、三菱自動車にとってもっとも重要な国である。今春、MMTh(ミツビシ・モータース・タイランド)ラムチャバン第3工場が完成し、小型車「ミラージュ」の生産が始まった。生産立ち上がり当初から部品の現地調達率(金額ベース)を約8割に設定したが、品質面での問題はなく、生産は順調に進んでいる。JATCOのタイ工場が完成し、CVT(無段変速機)の現地調達が可能になれば、ほぼ100%現地化になるだろう。ミラージュの受注も各地で順調に増えており、タイをミラージュの生産・輸出拠点に決めた戦術は結実した。生産だけで言えば、ことしのMMThは年産44万台に達する見込みである。しかし、社内では「タイ一辺倒の危うさ」が論じられている。アセアン事業にもう1本、軸をつくる計画を進めている。「今後2〜3年でその仕込みを終えたい」と言う。これは三菱自動車だけでなく、日系自動車メーカー各社にとっても共通した課題である。ことしのタイは、初めて自動車生産台数が年間200万台を突破する見通しだが、果たして三菱自動車はどのような道を選択するのだろうか。
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