|
ビジネスレポート |
ミャンマーと中国の地の果ての国境貿易基地ムセ“探訪” |
|
これまでのミャンマー取材で聞き慣れた地名が中国国境の「ムセ」。ミャンマーの工場で使われている機械や原料がどこから「輸入」されたのかといった私の質問に「ムセから」という答えが多かった。ムセ(MUSE)はミャンマーと中国との間を日々3,000台の大型トレーラーが往来するミャンマー最大の国境貿易基地だと聞き訪問してみたい気持ちを高めた。ようやく今年7月にムセ訪問の予定を組めたところでカチン独立軍(KIA)とミャンマー政府軍との戦闘がムセ近辺で激化したことから旅を延期し、紛争が収まった先月(9月)ムセを訪問した。ヤンゴンからはミャンマー第2の都市であるマンダレーか、かつて英国植民地時代に開発された避暑地ピンウーリン(メイミヨ)でバスを乗換える。マンダレーからムセまで460キロあるが、あちこちで中国への天然ガスパイプラインの突貫工事が見えた。バスターミナルへのタクシー移動なども含めてヤンゴンのホテルからムセのホテルまで片道26時間の道中、もはやここまでかとムセ訪問を諦めざるを得ない予期しないピンチに次々と遭遇したが、奇跡的にすべて切り抜けられた。ミャンマーは日本企業の投資ブームになっており、テイン・セイン政権下で外資受け入れ、事実上禁止だった貿易の自由化、法制度の整備に向けた急速な改革が進んでいるが、辺境の現実は少数民族問題、麻薬問題などがからむ厳しいものだった。「一番嫌いな外国だ」と公言するミャンマー人が多い中国との国境だが、ミャンマーにとって最大の国境貿易拠点である「ムセ」の現状を報告したい。 |
|
|