中国・アジアの工場進出情報
2012.6.15 Vol.24 No.11
産業アナライズ<自動車>
世界再編は新たなラウンドへ
カギを握るのは新興国市場への対応
米・GM(ゼネラル・モータース)が仏・PSA(プジョー/シトロエン)と資本提携を含む包括提携で合意したのはことし2月末。現在は独・BMWとの間でも提携交渉を進めているほか、かつてGMグループだったいすゞにも復縁を打診している。09年6月1日の経営破綻は約16超円の負債を抱えた史上最大の企業破綻であり、GMは米国およびカナダ政府とその関連が株式の70%を握る政府管理下の企業となった。しかし、GMが不振を極めていたのは地元北米の市場であり、経営の足を引っ張っていたのは退職者向け医療保険と企業年金だったことから、経営破綻によってこれらの負担を圧縮できたことで、企業体質は変わった。いまのGMグループは新興国での販売比率が全体の5割に達し、中国だけでもグループ全体の約3割を占める。旺盛な新興国需要を背景に経営再建を果たしたと言える。今後はPSAと新興国市場でも連携を強めるだろう。とくにインドが最優先のプロジェクトになるものと思われる。メジャー自動車グループ同士の提携関係は、いよいよ新興国が軸になってきた。
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