中国・アジアの工場進出情報
2012.6.1 Vol.24 No.10
産業アナライズ<自動車>
立ち上がった日中合弁ブランド
ここに隠れたチャンスと落とし穴
広州ホンダの「理念」と東風日産の「啓辰=ヴェヌーシア」。ふたつの新ブランドが動き出した。両方とも日中合弁ブランドである。理念は広州汽車のブランドでもホンダのブランドでもなく広州ホンダのブランドである。同じくヴェヌーシアは東風汽車のブランドでも日産のブランドでもなく東風日産のブランドである。外資自動車メーカーの設計術と品質を中国価格で提供することが合弁ブランド創設のねらいであり、いまのところこの方法が「中国国営企業も外資企業も儲かる」というウィン・ウィンのビジネスモデルだと見られている。ホンダと日産は中国の生産体制を拡大するが、その背景にはこの合弁ブランドがある。日本の部品メーカーも生産拡大に期待を寄せている。おそらく、モデル2世代10年間はうまく行くだろう。しかし、その間に世界の自動車市場はどう変化し、日本の自動車産業の立ち位置はどう変わるだろうか。それを思うと、退路を確保しておくことも必要ではないかという気がする。
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