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特集 |
《タイ》洪水被害も投資意欲継続/下期緩やかな回復見込む |
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2011年、歴史的な大洪水被害によりタイ経済は大きな打撃を受けた。中部地域を中心に工業団地が被害を受けたため、自動車分野を中心とした日系企業は生産停止に追い込まれた。JETROによると、タイの工業団地への進出日系企業642社のうち、浸水した7工業団地で449社が直接の洪水被害を受けた。これら洪水による影響額(名目)は2,484億バーツ(6,210億円)で、このうち日系企業の影響額は1,000億バーツ(2,440億円)と全体の40%を占める(国家社会経済開発庁試算)。2011年第3四半期まで好調だった経済成長も一気に減速し、タイ政府は2011年の成長予想を公表値(3.8%)から1.5%と下方修正した。2012年上期まで減速基調は続くとみられるが、インフラ整備を始めとする復旧作業の進展に伴い消費活動も正常化し、2012年通年ではGDP成長率は4.0%まで回復するとの見通しが大勢を占める。ほとんどの日系企業がタイ国内での事業再開を検討していることから、今後の治水対策や手厚い復旧支援などタイ政府の迅速な取り組みが、早期回復への足がかりとなる。 |
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